イベント:スモーブロを作ろう!しあわせの土台は「自分らしくあること」

イベント:スモーブロを作ろう!しあわせの土台は「自分らしくあること」

先月は海外からの来客があり、忙しくも楽しい月となりました。

デンマークの友人親子が2組、私の家に遊びに来てくれて、せっかくだったら日本でデンマークを紹介したり日本の人たちと交流するイベントをしよう!というエネルギー溢れる彼ら。私の地元の小さな公民館で、小さなイベントを開催しました。

「しあわせの国のレシピ~スモーブロを作ろう~」
デンマークの国民的フード、スモーブローを作り、「しあわせの国」と言われる彼らが暮らすデンマークの社会や文化についてお話をしてもらう会でした。

当日のメニューは

・前菜 (ニシンの酢漬けとライ麦のクラッカー)
・オープンサンド① (ジャガイモとオニオンフライ)
・オープンサンド② (卵と海老)
・オープンサンド③ (チキンサラダ)
・デザート(チョコレート、チーズの盛り合わせ)

飲み物三種(デンマークの蒸留酒スナップス、手作りエルダーフラワーのジュース、ノンアルコールビール)

さらにデンマークからのお土産と本当に盛り沢山!
彼らはサンドに入れるジャガイモまで持ってこようとして税関で叱られながらも、遠いデンマークからたくさんの材料をわざわざ持ってきてくれました。

「自分たちが好きで楽しんでやってるから!」と。

スモーブローの作り方の他にも、デンマークのクイズ、天使のような子どもたちによるデンマークの歌、参加者全員でのデンマークダンスあり、教育のお話ありととても盛り上がり、参加者の方々からも「楽しかったー!」というお声を頂き、お腹も心もいっぱいの大満足のイベントとなりました。

その中でクリスティーナは、この滞在で感じたデンマークと日本の違いについて参加者と話すコーナーを設けました。これは当日、イベント開始の数分前に「やろう!」と急遽入れこんだ臨時コーナーでしたが、話がとてもよかったのでご紹介したいと思います。

実は、このイベントの前日に「日本の学校を見てみたい」という熱い希望により、私が通っていた小学校へ見学に行きました。ちょうど学習発表会の予行演習をしていたので、子どもたちの劇や発表を見せてもらい、休み時間には子どもたちと交流して、学校の様子も見ることができとても喜んでいました。

それぞれ3人の子どもの母親たち。その時間じた日本とデンマークの教育について教えてくれました。

 

「集」を重んじる日本と「個」を重んじるデンマーク

文化祭の予行演習で子どもたちが発表する劇や音楽。それまで頑張ってたくさん練習して、協力し合い、自分の役割を果たします。そこで大切なのは「全員が協力して達成すること」。自分が苦手だからと言って、やりたくないから、つまらないからと言って、それを拒否したり妨害したりすることは許されません。苦手でも嫌いでも頑張って練習し、周りと同じように行動することが求められます。

予行演習を見たデンマークの母親たちは、「おそらくデンマークの子どもたちはこんな風に、皆が同じようにきちんと演技をできないと思うわ」と言っていました。

デンマークの教育の柱は、「ひとりひとりが意見を持ち、違う意見を持つ相手を尊重すること」。なので、もちろん協力する事は大切ですが、その大前提として、皆と同じように行動することよりも、「自分はこう思うからこうする」という人々の意識をよく感じます。

集団としての機能を大切にする日本と、個人を大切にするデンマーク。その違いは、教育からきているよう。

社会の一員であるべきか 個人であるべきか

日本の教育で評価されることは、計算力や暗記力、筆記力、読解力。教室ではちゃんと座り授業を聞くこと。その中で自分の意見を主張することはあまり求められません。

デンマークではその逆で、「自分はこう思う」と自分の意見を持つことが大切だとされています。なので授業も幼い頃からディスカッションやプレゼンテーションが用いられ、テストは行われず、成績をつけるのも高校に入る前などある時期に限られます。


個人が尊重されるということは、自分と違う意見を持った相手も尊重するということ。この夏にデンマークの中学校の授業に参加させてもらいましたが、大勢の前で発表したり意見を述べたりすることはもちろん、人の話を聞く姿勢も学んでいるんだなということがわかります。

 

 

一方デンマークの学校では個人の主張が激しく、日本のように授業として機能しないことも多々あるそうです。


デンマークは自由で(テストもなくて)個人が尊重されていいなぁー!と多々思右こともありますが、個人事業をしている今、例えば荷物を指定通りにきちんと運んでくれる運送会社や、それを受け取ってくださるお客さまの対応などは、自分だけでなく相手のことも同じように考えるから成り立つことであり、感謝することもたくさんあります。

 

デンマークで教師をしていたこともあるクリスティーナ。最後はこう言って、お話を締めていました。

「決して、日本よりデンマークの方が素晴らしいということではないと思っています。ただデンマークは世界で最も幸せな国であると言われていて、その理由の一つは「自分が幸せだと思える」という点が大きいと思います。それは私たちが幼い頃から、「自分は自分であっていい」例え周りと違っても、かけがえのない個人として尊重されてきたのが大きいと思います」

国や社会がうまく機能して快適に暮らすには、一つ社会の一員として、組織の一員として機能することがもちろん大切です。ただその中で個人が幸せを感じるには、集団の中の一部としてでなく、個人として尊重されることが必要なのだなと北欧に行くといつも感じさせられます。

それぞれの国の良いところを知り、バランスよく取り入れていくこと。
急に社会や制度を変えることは難しいけど、私たちひとりひとりの小さな意識によって、社会は作りあげられるものだということも、デンマークで学んだ大切なことでした。

地元の小さな駅に迎えに行ったらこの姿で登場した4人。電車の人たち驚いただろうな。。

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