デンマークではこの季節になると寒くて暗い毎日が続きます。
12月に入ると日の出はだいたい朝の8時過ぎで、午後の3時半くらいには夕日になり始め、4時半にはすっかり暗くなります。
空模様と心は繋がっているというのは本当で、やっぱり太陽の光がないと、気分は沈みがちに。北陸出身の私もびっくりの光の少なさです。
北欧の人は毎年この長く暗い冬を耐えているのだなと感心します。
そんな暗い冬に、人々が心のよりどころにしているものは、
クリスマスです。デンマークではJul:ユルと言います。
日本でも街はクリスマス一色になりますが、力の入れ方、心意気が違います。
一番日が短くなる冬至の直後にクリスマスというビッグイベントは必然なのかもしれません。
暗く寒い中でも、街中ではいろんなところでクリスマスマーケットが開かれています。
ここで飲むのは、
甘くて美味しいホットワイン。
ドイツでおなじみですが、デンマークのはアーモンドとレーズンが下に沈んでいます。
マグカップで飲むものらしく、カップは持って帰れますが、返却するとその分のお金が返ってきます。
一杯900円ほどで、半分の400円ほどが返ってきたはずです。
その他にもソーセージを食べたり、
チョコレートやクッキー、クリスマスの飾りや、
工芸品など
いろんなものを見たり食べたり買ったりして楽しんでいました。
夏もいいけど、暗くなった街もそれはそれで綺麗。
(これでまだ4時前だったはず)
5時には完全に夜
夜まで明るい夏のように、ハイテンションで楽しむことはなくなりますが、ちょっと考え事をしたり、本を読んだりして過ごすのには悪くありません。
幸せな国で有名ですが、この時期特に自殺や鬱になる人も多く、多くの人がビタミン剤や抗鬱剤を飲んでいます。小さな子どもでも、グミみたいなカラフルなビタミン剤を飲んでいました。
太陽の光って人を元気にさせるんだなー再確認せずにはいられないほど、少し辛い北欧の冬。でも一方ではそういう時期があるから、深く自分や社会と向き合う時間があって、考える力がついて、こんなに良い社会を作り上げたのかなとも思います。
文学者や哲学者は、ドイツやロシアなど、冬が暗い国が多いイメージだし、日本の文豪も、志賀直哉や太宰治、宮沢賢治など、暗い東北地方が多い印象。
人間には、陰陽どちらも必要なのかもしれません。
もう一つ、北欧の家では暗くても蛍光灯は使わずに、キャンドルやランプで過ごすのが定番です。実際に光は弱くても、その方が温かく見えます。
デンマーク独特の言葉であるHYGGE(ヒュッゲ)は「寒い冬に、家の中でキャンドルを炊いて、親しい人と交流するような心地よい感覚」と例えられるように、キャンドルは北欧スタイルの定番でもあります。
実際に電気よりもろうそくの炎の方が太陽に近く、人を元気にさせたり癒す効果があるのだと思います。
そんな感じで、寒くて暗いけど、クリスマスのデコレーションを楽しんだり、家で家族でほっこり過ごすなど、冬の楽しみ方を良く知っているデンマークの人々の冬が今年も始まったようです。