ルイヴィトン  19世紀のスチーマートランク

ルイヴィトン 19世紀のスチーマートランク

19世紀、産業革命真っ只中のフランスで産まれたルイ・ヴィトン。移動手段が馬車から鉄道・蒸気船へと大きく変化する時代に、新しい旅の形として提案したのが当時画期的だったスチーマートランクでした。

2022年最後にアップしたお宝は、板垣退助やヘミングウェイなどの著名人、貴族やエリート層が旅のお供として愛用していたルイ・ヴィトンのトランク。こちらは中でも1888-1896年の短い間に製造された希少なダミエのトランクです。パリのルイ・ヴィトン本社に問い合わせたところ、1896年に購入されたものだということがわかりました。

調べていくと、恵まれない環境に育ちながら、時代の変化に負けずに立ち上がっていた若きルイ・ヴィトンの姿や、日本文化が西洋の芸術に与えた影響、職人や物作りのあり方など、アンティークの魅力に改めて魅せられました。

その頃パリには、たくさんの職人たちがいて、ロートレックやドガ、セザンヌ、ルノワール、モネ、ピカソなどの芸術家たちがいて、鉄道や蒸気船で長距離移動が活発になって、混沌として大変なこともたくさんあっただろうけど、未来の新しい世界に夢や希望がいっぱいだっただろうな!このトランクに触れるとそんな浪漫と憧れに「くっそーそんな時代にちょっと生まれてみたかったぁー」という小さな嫉妬と冒険心が混ざった不思議な気持ちになります。

 でも、今だって状況は違えどある意味大変化の時代。ルイ・ヴィトンを始めとするその頃に時代を生ききった先人たちに負けずこの混沌とした時代を思いきり楽しんでやる!とも思えてくる、そんな勇気が湧いてくるアンティーク品です。

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